ヴァイオリンの買い方・選び方


今回はとっても難しいテーマ、ヴァイオリンの購入について、お話ししたいと思います。

ヴァイオリンを始めるとき、レベルアップして買い換えるとき、その他いろんな理由で新しい楽器を手に入れる機会があると思います。ワクワクすると同時に、どうやって選んだり買ったりするのが正解なのか、不安もありますよね。インターネットを見ると多くの方が様々なご意見を書いていらっしゃって、どれも一理あるのですが、今回はわたしなりに大切にしているポイントを3つお話ししたいと思います。

1. ヴァイオリン選びは「音色の好み」が一番大事。


ヴァイオリンというと高額なイメージがあるので、ほとんどの方がお値段から楽器を検討なさいます。しかし、実はヴァイオリンにはものすごく個性があるんです。一番の違いは「音色」です。ワインが産地や作り手によって全く味わいが異なるように、ヴァイオリンの音色も本当に個性豊か。明るい音、暖かい音、華やかな音、渋い音・・・。これは味覚と一緒で「好み」以外に選ぶ基準はありません。生産地もイタリア、フランス、ドイツ、東欧、中国、そして日本までさまざま。それぞれに特色があって、どれを選ぶかは本当に「好み」なんです。

たくさんの楽器を弾き比べて「好みの音色」のヴァイオリンを探すことが、良い楽器に出会うコツなのです。

2. 新品よりも「古い楽器」がいいんです。


ほとんどの方が驚かれるのですが、ヴァイオリンを購入する際には由来とメンテナンスのしっかりした「古いヴァイオリン」をお勧めしています。いわゆる「名器」と呼ばれるような楽器は1600〜1700年台のものですが、1900年台前半〜中期のヴァイオリンでも良いものが多く、価格もお手頃。色々な楽器の中でも「新品より古いものの方がいい」いうのは珍しいと思いますが、弦楽器の音色を決める「木」は、長い時間かけてしっかり乾燥したものの方がよく響くというのが常識。また良質の木はすでに獲り尽くされてしまったとも言われています。

これも長年熟成させたワインが美味しい(かつ高額)というのとよく似ていますね。

3. どれを買うか、ではなく、どこで買うか。


このように選んでいくヴァイオリンですから、あらかじめネットなどで作り手やお値段を決めるのではなく、お店に行っていろいろ弾いてみて(もしくは先生などに弾いてもらって)、自分が「ピンとくる」楽器を選ぶことが大切です。でも、このように選べる信頼できる楽器屋さん(さらに状態の良い古い楽器を置いているとなるとなおさら!)は限られています。

ですので、まずは「どれを買うか」ではなく「どこで買うか」を考えていただけるとよいと思います。そんなこと言ってもどうやって調べたらいいかわからない!という方は、東京でしたら私がお世話になってる楽器屋さんをご紹介します。

楽器のお値段について


それでは、実際どのくらいの予算を考えたらよいのでしょうか。
ヴァイオリンといえばお高い楽器の代表格。テレビ番組でも●億円という楽器を目にすることがありますね。一方、Amaz○nさんでは楽器に弓、ケース、その他付属品がいろいろついて何と1万円を切る商品も!?

私は、1つの目安として30万円とお答えしています。(楽器本体、弓、ケースあわせて)

これは中学・高校の部活動で弾いたり、大学や社会人のアマチュアオーケストラで弾いたりするレベルのイメージで、ある程度の表現力と音色が期待できる価格です。
またまたワインで例えるなら、10万円の楽器は1000円くらいのデイリーワイン、30万円の楽器は3000円程度のちょっとしっかりしたワインのイメージでしょうか。(こんなにワインに例えてるとよっぽどのお酒好きのようですが、私はほとんど飲めないんですX_X)

いい楽器に出会えれば、名実ともに「一生のパートナー」になれるヴァイオリン選び。
この記事を参考に、ぜひ素敵な一挺に出会ってください。



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