みんなが知らない、ヴァイオリン上達のための「たった1つの秘訣」


ちょっとあやしい感じのタイトルになってしまいましたが、今回はヴァイオリンを弾く人なら誰でも気になる「ヴァイオリン上達の秘訣」についてお話ししたいと思います。

早速ですが、みなさんは「料理が上手になる秘訣」は何だと思いますか?
火加減や塩加減もとっても大事ですが、その前に、とっても大事なことがあると思います。

それは「味の良し悪しがわかること」です。

どんなに良い材料を使ったり、プロのレシピを模倣したり、調理器具や手順にこだわったりしても、「どんな味が美味しいのか」がわからなければ、みんなが美味しいと思えるお料理を作ることはできないでしょう。
では「どんな味が美味しいのか」を知る、つまり「味覚」を鍛えるにはどうしたらよいでしょうか。
これはもう「美味しいものをたくさん食べる」しか無いんだと思います。


上達の秘訣は“弾く”のが半分、“聴く”のが半分。


はい、あっけないくらいシンプルですが、これが今日の結論です。
料理人が「味覚」を鍛えることが欠かせないように、ヴァイオリン上達ためには「耳」を鍛えることがものすごく大切です。プロの演奏をよく聴き、その音色や表現をしっかりと耳に覚えさせること。そして自分の音や演奏と聴きくらべ、どこが違うのか、どう違うのかを意識すること。それがヴァイオリンが上手になるための一番の秘訣です。
ある程度までの上達の過程では、練習=弾くのと同じくらい、聴くことに時間を使っていただくのが大切だと考えています。

では、具体的にどう「聴け」ばいいのか、今回はそのコツを3つのステップでお話しします。


1. 自分が好きな演奏を探す


今はCDを買わなくても、YouTubeやAmazon Musicなどのサービスで様々な演奏をほぼ無料で聴くことができます。まずはたくさんのヴァイオリニストの演奏を聴いて、自分が好きな曲や奏者を探してみてください。
ここでお伝えしたいのが、超一流といわれるヴァイオリニストでも、必ず「好み」があるということです。世界的に称賛されているヴァイオリニストでも好みが合わない人もいるし、マイナーでも自分にとって素晴らしい演奏をしてくれる奏者もいます。
まずは「自分が好きだ、いいな」と思える演奏を見つけること。ここからみなさんのヴァイオリンの上達が始まります。


2. その演奏を、徹底的に聴き込む


好きな演奏が見つかったら、その曲を徹底的に聴き込んでみてください。家の中で、通学・通勤の途中で、勉強や仕事をしながら、何度も何度も聴いて、もう頭の中でその曲が再生できるくらい、聴き込んでみてください。そうすることで、一流プレイヤーの「音」や「フレージング」 が耳に定着します。つまり、自分が理想とする音色や演奏のイメージを頭の中につくることができます。こうなって初めて「美味しい味がわかる」状態に一歩近づくわけです。


3. 自分の演奏を、理想の音に近づける


この「理想の音色や演奏」を頭の中で鳴らすことができれば、普段の練習の効率も一気に高まります。自分の音をよく聴いて、理想の音との違いを感じながら、いろいろな工夫をしてみる。弓を弦に当てる位置や角度、強さ、弓を動かすスピード。姿勢や全身の筋肉の使い方まで、いろいろ試しながら、どうやったら理想の音に近づくか、無限のトライアルをすることで、自分の演奏を理想の音に近づけていくことができるのです。


ぜひ、プロの生演奏を聴いてください


最後にお伝えしたいのは、できれば時にはプロの生演奏を聴いていただきたいということ。
やはり演奏音源と生演奏では、そこから得られるものは何百倍も違います。ぜひ本物の音を聴き、ヴァイオリニストの動きを見てみてください。
コンサートというとちょっと敷居が高いと思われるかもしれませんが、東京であれば一流のヴァイオリニストの演奏が毎日のように開催されていて、その多くが1回のレッスン代くらいの金額で聴くことができます。

ちなみにコンサートに行くのは勉強になるだけでなく、ちょっとした非日常の体験として旅行にも似た楽しみがあります。おしゃれをして、コンサートの前後にホールの近くのカフェでくつろいで、きっと心の栄養にもなると思いますよ。

また小さなお子さん向けには、ファミリーコンサートやキッズコンサートも数多くあります。小さな頃から本物の演奏に触れることは、本当に得難い経験です。こういったコンサートでは多少賑やかにしても大目に見てもらえるので、ぜひ行ってみてください。子どもたちの吸収力は想像以上で、一回のコンサートを聴くことで演奏やモチベーションがガラッと変わるお子さんもいるんです。

日々の練習も大切ですが、耳を鍛え、心を豊かにすることが、ヴァイオリン上達の一番の秘訣なのです。

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